注)2004年ごろ、TV番組「トリビアの泉~素晴らしきムダ知識~」に投稿したが、ボツになったネタ。
・「首」は人の頭部の象形文字。しんにゅうは道を歩く意味を表す文字。
・漢字が生まれた殷王朝の時代(紀元前14世紀頃)には、国外に出る道路は異民族が仕掛けた呪術が仕掛けられていて、安全に通行するためには、これらの呪術を無力にする必要があると考えられていた。このために、異民族の生首をぶら下げて歩くことにより、きよめを行った。生首には、強烈な霊力があると考えられたのだ。
・ちなみに、「真」の旧字体である「眞」は、さかさまになった死体の象形文字である。上の「ヒ」はさかさまになった人の胴や脚、下の部分は首を上下逆にした字である。(このあたり、文字をアニメで動かして分かりやすく)
・つまり、「菅原道真」などという名は、かなり不気味なものである。
・もっとも、こうした文字の由来がわかってきたのは、20世紀のはじめから大量に発見されるようになった殷時代の甲骨文字の研究が進んだおかげであり、道真の頃にはわかっていなかった。
・漢字は、もともと、人同士のコミュニケーションのためではなく、人が神と会話するために生み出されたものである。亀の甲羅などに熱した金属棒を当て、生じたひび割れの位置や形を読んで神の意向を判断した。その後、神への質問や返答、さらに実際にそのとおりになったことなどを、同じ甲羅に文字として刻んだ。
・このため、必然的に、敵に勝つための神へのいけにえやまじないのしかた、敵の捕虜の処分のしかたなど、血なまぐさいことがらに関する漢字が多く作られた。
・他に例をあげると
白:頭蓋骨。
方:国の境界で、死体を棒に掛けて悪霊の進入を防いだ。その形。
伐:戈(ほこ)でイ(ひと)の首を切る。戈の刃が人の首に当たっているところに注目
流:死体が流れていく様子。「つくり」の上部は、「子」が上下逆になったかたち。下部の三本の線は、なびいている頭髪。